中国外務省スポークスマンは21日、安倍官房長官自民党総裁に選出さ
れたことを受け、対日関係の改善が中国にとって最重要課題だ、との認識
を示した。同スポークスマンは、定例記者会見で「中国と日本の関係にと
って、ファンダメンタルな政治的障害を取り除くことが緊急の課題だ。そ
れは現時点の最重要課題だ」と述べた。さらに、靖国神社への参拝問題に
触れ、日中関係が改善するのは「歴史問題を適切に処理」した場合に限ら
れると指摘、安倍氏がこの問題について立場を明確にするまでは、将来の
日中関係について楽観できるかどうかはわからない、と語った。

 

対日関係の改善のためには靖国神社に参拝するなと言う相変わらずの居丈
高な中国側の主張に、安倍氏がどのような対応をしていくかは徹底的に逆
の対応をとり続けてきた小泉首相のようにはいかないだろう。小泉首相
毎年靖国神社への参拝を続けてきたことで、中国も拳を振り上げたは良い
が相手がひるまなかったために、対日政策の練り直しを迫られたのは間違
いなく、反小泉陣営のアジア外交を破壊したとの主張は、中国と我が国が
海を隔てた隣国である以上、歴史だけでなく資源と言う面でもぶつかり合
う相手として、対立すること自体は止むを得ないのだ。

 

安倍政権が誕生することで、関係改善のきっかけにしたいのは日中両国の
本音であろうが、中国がこのような主張をする限りは我が国内でも反発は
続くであろうし、嫌中感情を高まらせるだけである。誰だって対立関係が
いつまでも続くのは好ましいと思うわけが無い。それでもなお、我が国に
中国が歴史をカードに振舞うのであれば、変わるものも変わらなくなって
しまうのではなかろうか。