政府は4日午後、安倍晋三首相が8日に中国、9日に韓国を訪れ、両国で
それぞれ首脳会談を行うと正式発表した。一連の会談では、小泉純一郎
首相の靖国神社参拝で悪化した中韓両国との関係改善や、核実験を実施す
ると表明した北朝鮮への対応などが焦点となる。首相の外遊日程は、下村
博文官房副長官首相官邸で緊急に記者会見し、発表した。首相は8日に
北京入りし、胡錦濤国家主席温家宝首相、呉邦国全国人民代表大会常務
委員長とそれぞれ会談し、1泊する。翌9日午前にソウル入りし、同日午
後に盧武鉉大統領との首脳会談を行った後、同日夜に帰国する。

 

首相就任後に初の外遊先を中国、そして韓国を選んだ安倍首相は関係改善
が最優先の案件となるだろう。そして、おそらく会談をセットした事務方
でも靖国神社を参拝しないと言うことが条件と出されたことを、撥ね付け
た上で会談がセットされているのであるから、会談の中でよもや靖国神社
に参拝するなと中韓首脳が「ゲンメイ」することはあってはならないだろ
う。特に歴史を鑑とすると言う中国の常套句にのることなく、毅然とした
対応をとってこそ我が国の立場を示せるのではないか。中国は会談をセッ
トする交渉の中で、従来主張していた首相・官房長官・外相の参拝は認め
ないを緩和し、官房長官・外相は構わないと発言したようだが、あまりに
場当たり的な内容で声も無い。

 

韓国も完全に親北と化した盧武鉉政権が相手であるから、何を言い出すか
わかったものではないが、韓国まで出向いてきた安倍首相をこき下ろすこ
とはないだろう。安倍首相が圧倒的な支持を集めたのは、ぶれない対応に
国民的人気が集まったからである。筋の通った強硬論を主張することは、
もともと右派左派は関係無く相手によってコロコロと態度を変えていて信
頼を勝ち得ることは無い。安倍首相の初外遊を一国民として見守りたい。