安倍晋三首相は11日の参院予算委員会の集中審議で、北朝鮮の核実験実
施発表に関連し「核兵器を開発すれば国自体の生存の条件も厳しい状況に
なる」と述べ、核開発を継続すれば北朝鮮体制崩壊につながる可能性が
あるとの見方を示した。北朝鮮体制崩壊に言及することで、核開発の断
念を強く促した形だ。共産党井上哲士氏への答弁。首相は「北朝鮮が核
武装して大国になって米国と交渉する国になったというのは錯覚だ」と語
るとともに、「北朝鮮政府が取り組むべき課題はミサイルや核兵器を造る
ことではなく国民の生活向上に全力を尽くすことではないか」と指摘した。

 

北朝鮮核武装することで東アジアの緊張は一気に高まり、朝鮮半島の非
核化は夢物語となる。特に我が国や中国にとって望ましい状況では無く、
北朝鮮への武力行使が行われることになった際に、もっとも被害を被るの
は我が国や韓国であろう。特に韓国首都のソウルは国境からも近く、通常
兵器の長距離砲やロケット弾による攻撃だけでも、壊滅的な被害を被るこ
とが予想されている。また、我が国にも北朝鮮が開発した弾道ミサイル
攻撃が続き、核弾頭が完成していないにしても弾頭に生物兵器化学兵器
が付けられていれば人的な被害は甚大なものになる。どのように押さえ込
んでいくかが課題であろう。

 

すでに舞台は国連へと移り、大国間のやり取りが本格化していく。常日頃
我が国では国連が万能の存在であるかのように報道されるが、歴史がそれ
を証明するように国連中心主義の外交政策などは無力そのものである。常
任理事国が圧倒的な力を握る中で、自国の国益が適う方向に持っていける
かが国連における世界の外交政策なのだ。国連と言う存在が国と国の連合
体である以上、国連に全て一任とはいかない。安倍外交の真価が今ここで
試されている。