北朝鮮の朴吉淵国連大使は14日、対北制裁決議を採択した国連安保理
公式会合に出席し、「米国がわが国に対する圧力を強化するなら宣戦布告
とみなし、物理的対抗措置を取り続ける」と述べ、核実験実施宣言に続く
一段の挑発行為を示唆し、警告した。朴大使は会合で、「わが国はたった
今採択された不当な決議を全面的に拒否する」「安保理は中立性を完全に
失った。あくまでもダブルスタンダードを適用するつもりだ」と強く反発。
核実験は米国の「脅威」に対抗し、「自衛のための戦争抑止力を強化する
新たな手段だ」と強調した。

 

自国民を蔑ろにしつつ、核兵器や軍に数少ないであろう資金を注ぎ込む北
朝鮮は、やはり異質な国家であることが嫌でもわかる。決議は「国連憲章
7章に基づいて行動し、7章41条の下で措置を講じる」と明記され、大
量破壊兵器にかかわる北朝鮮の「ヒト、モノ、カネ」の移転を禁じ、北朝
鮮船舶などへの「貨物検査を含む協調行動」を加盟国に求めている。これ
で対北朝鮮の包囲網が出来たとは思えないが、金融制裁でじりじりと締め
付けられている北朝鮮にとって、これ以上の制裁は望ましいものではない
のも確かであろう。

 

それには北朝鮮の最大の貿易国である中国や、金大中時代から続く太陽政
策を継承する韓国が、その姿勢を改めて制裁措置をきちんと取ることで明
確な意志を北朝鮮に突きつける。自衛のための戦争抑止力と言いながらも
結局はそれを使って国際社会へ挑戦しているのであるから、国際社会がそ
れに応えるのは当たり前である。北朝鮮と事実上敵対している我が国も、
路線を見誤ることなく国際社会と協調して北朝鮮へと当たるべきだろう。