朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省は17日、国連安全保障理事会の北
朝鮮制裁決議を「宣戦布告としか見なせない」とし、今後、米国の動向次
第で「措置を講じていく」とする報道官声明を発表した。決議に基づく制
裁強化にはあくまで強硬姿勢で対抗するとの方針を改めて示したもので、
北朝鮮が追加核実験などさらなる挑発行為に出る可能性が高まったと受け
止められている。声明は核実験について、「米国の核戦争の威嚇と制裁圧
力策動」に対する「防御的対応措置」であり、「主権国家の自主的で合法
的な権利行使」だと主張。

 

なりふり構わず核開発を正当化しようとする北朝鮮は、二度目の近日中に
核実験を試みると見られており、制裁はより厳しいオプションを備えてい
くことだろう。それでもなお、瀬戸際外交を続けるのであれば瀬戸際どこ
ろではなく、本当に体制そのものが崩壊する危機も考えられる。中国は核
実験を行ったことへの不満からか、一部の中朝国境に鉄条網を設置し北朝
鮮と脱北者への圧力を強めつつある。血で固められた同盟とも例えられる
中朝の関係も、核兵器保有は断じて許さないと言う中国の強い姿勢の前
に、敢え無く破綻するのか、それとも機能するのか見ものである。

 

米国を交渉のテーブルに何とか引き摺り出したい北朝鮮にとって、核兵器
だけでは米国の現実的な脅威とは言えず、やはり「テポドン」を改良して
大陸間弾道弾を完成させるしか方法は無い。それまでに米国が黙っていて
くれれば、の話だが残り2年の任期となったブュシュ大統領は中東を片付
けないことには、身動きがとりにくいことだろう。このような時にこそ国
連が、と言いたいところだがそれは夢物語かもしれない。核保有を目指す
のは北朝鮮だけでなく、イランも控えておりここで北朝鮮の核に国連がお
墨付きを与えるような事態だけは避けて欲しいものだ。