麻生太郎外相は18日の衆院外務委員会で、北朝鮮の核実験問題に関連し
「隣の国が持つことになった時に、検討するのもだめ、意見の交換もだめ
というのは一つの考え方とは思うが、議論をしておくのも大事なことだ」
と述べた。「非核三原則を維持する政府の立場は変わっていない」と前置
きしたうえでの発言だが、現職の外相の発言だけに今後国内外で波紋を呼
びそうだ。日本の核保有論をめぐっては、自民党中川昭一政調会長が1
5日、テレビ番組で「選択肢として核(兵器の保有)ということも議論と
してある。議論は大いにしないと」と指摘していた。

 

世界唯一の被爆国である我が国にとって、国民感情として受け入れ難いの
核兵器であるとの指摘に間違いは無いだろう。だが現実には核保有国は
安保理常任理事国以外にもインド、パキスタン、公式には保有を明言し
ていないイスラエル、そして核保有を目指す北朝鮮と核開発を進めるイラ
ンと核兵器の開発は止まることを知らない。我が国の西はロシア、中国、
北朝鮮がいずれも核兵器保有し、日米安保によって辛うじて核の傘に下
にいることでその立場を安堵されている。

 

我が国内において核保有の議論を一切許さないとの姿勢は、実際に持つ持
たないは別としても、おかしなものではないかとも思う。米国の核の傘
本当に機能するかはわからず、頼りきるのはいざと言う時のために自国で
核兵器保有し反撃能力を備える、それ自体は真っ当な話であろう。非核
三原則を貫くのであるなら、核の傘にいる以上は米国追従も出てくるのは
止むを得ない。それが嫌なら、自国を守るための防衛力を高める他にない
のではなかろうか。