韓国の李鍾ソク統一相は25日の記者会見で、24日に盧武鉉大統領に辞
意を伝えたことを明らかにした。盧政権の対北朝鮮融和政策を推進してき
た李統一相に対しては、北朝鮮の核実験実施以降、最大野党、ハンナラ党
などから辞任を求める声が強まっていた。大統領は辞任を認める意向だ。
盧政権では、潘基文外交通商相が国連事務総長に就任するほか、尹光雄国
防相も既に辞任を表明している。統一相の辞任で、これまでの北朝鮮政策
を担ってきた閣僚が一新されることになる。

 

国内の保守勢力からは宥和路線を批判され続けてきた盧武鉉政権であった
が、ここにきて親北政策をとってきた閣僚が去ることで、これを機に路線
を変えてくるのか注目したいところだ。何よりも金大中政権から脈々と続
いてきた太陽政策が、北朝鮮の核実験により最悪の形で裏切られた形とな
り、言わば核保有に力を貸していたことを意味していた。太陽政策を転換
し米軍より返還される作戦統制権も、今しばらくは返還を待ってもらい米
韓同盟を空洞化させない努力が必要であろう。何よりも盧武鉉大統領が太
陽政策が失敗であったことを認めねばなるまい。

 

だが国内の批判に耳も貸さずに意固地になっていくのが盧武鉉大統領かも
しれない。さすがに北朝鮮に今まで以上の支援をするような真似は国際社
会が許さないとしても、支援は継続していく可能性はある。一新なった盧
武鉉政権の閣僚の顔ぶれで、政策の転換がはっきりと見られることを期待
せずにはいられない。