元職員の長期休暇・休職が問題となった奈良市が、9年前の市議会で環境
清美部職員の欠勤問題が取り上げられたにもかかわらず、長年にわたり実
態を“放置”していたことが28日、分かった。平均すると、ごみ収集職
員の6人に1人が日常的に欠勤している実態を指摘した市議は「異常な状
態が分かっていたのに、放置し続けた市の責任は大きい」と話している。
問題が取り上げられたのは、97年12月の決算特別委員会。当時、同部
のごみ収集職員は約270人いたが、委員会記録によると、96年は1日
平均で44人が病気などの理由で欠勤。年間平均の欠勤率は16.3%で、
多い時は20%に上ったという。

 

やはり奈良市は分かっていて放置していたのだ。公務員の不祥事が明らか
になる際に、情報を小出しにし組織を守ろうとする無用な心遣いを組織ぐ
るみで行うことが多々あるが、いずれにしても問題は時間が経てば次第に
明らかになっていく。このような問題が奈良市だけで行われていたとは、
もはや国民は信じないだろう。公僕としての義務を果たさずに税金をふん
だくるやり方は、あまりに見苦しく許せないことだ。その中でも奈良市
環境清美部は悪質すぎ、職員の病欠が常態化していたのを見て見ぬふりを
して問題をより深刻なものとしてしまった。

 

奈良市の例を教訓として全国の自治体でも総点検やむなしと言うのが国民
としての本音であろう。もちろん情報の隠蔽を図るとは思うが、そのよう
自治体の中にもこのままではいけないと思う職員が少なからず存在する
はずだ。そうでなければあまりに悲しすぎるのではなかろうか。