奈良市環境清美部の元職員の男性が過去5年間で8日しか出勤しなかった
問題で、市は実際には勤務できる状態だったのに仕事を休んでいたとして、
この間に支払った給与の返還を求める民事訴訟を起こす方針を固めた。元
職員は診断書を提出し、休暇・休職を繰り返しており、市の事情聴取に対
して「休暇申請は虚偽ではない」と主張している。市はまず自主返還を求
めるが、応じる可能性は極めて低いとみている。請求額は約2000万円
程度になる見込み。市によると、勤務に関する記録が残っている5年間に
元職員が受け取った給与は約2700万円。訴訟で求める返還額は、実際
に勤務した8日分の給与や、期末・勤勉手当の一部、休職中に補てんされ
た市職員互助会からの「療養補給金」を除いた額になる。

 

給与の返還はごく当然のことと考えられるが、詐欺同然の行為によって得
てきたような人間であるから裁判においてきちんとした社会的制裁ととも
に返還をさせるべきであろう。5年間で8日しか出勤しないことは誰の目
から見ても異常であって、病気による休暇申請がきちんとした手段で行わ
れていたとしても、その内容は虚偽で固められたものなのは明らかだ。元
職員が部落解放同盟奈良県連合会の役員だったことから、「圧力を感じた
職員もおり、意識や対応に影響を与えた」と市長は弁明しているが、同和
行政に大きな誤解をもたらすことであったのは間違いない。休暇をとりな
がら派手なスポーツカーを乗り回し、市役所にもちょくちょく顔を出して
いながらも見過ごされてきた事態こそ、看過出来ない最大の問題だ。