中国外務省は31日、中国、北朝鮮、米国の3カ国が北朝鮮の核問題をめ
ぐる6カ国協議を近く再開することで合意したと発表した。再開されれば
昨年11月以来となり、北朝鮮の核実験で極度に高まった緊張がとりあえ
ず緩和される見通し。ただ、北朝鮮が無条件で同協議復帰に同意したのか
どうかは明らかでない。同省によると、中国の呼び掛けにより、米朝中の
6カ国協議首席代表が北京で非公式に会談し、「率直で突っ込んだ意見交
換」を行った。その結果、3者は近く同協議を開くことで一致した。

 

無条件での復帰なのか、それとも難癖をつけての復帰なのかで協議の意味
合いは変わってくると思われるが、国連の制裁決議や韓国の太陽政策の転
換の可能性、血の友誼で固めたはずの中国との関係も微妙なものになって
きては、さすがの北朝鮮も折れたのかもしれない。これで中国も北朝鮮
の影響を保っているのだと言う面子が保てたことであろうし、米国も米朝
協議には応じない姿勢を貫く結果となった。制裁は宣戦布告とみなす、核
戦争の可能性すら示唆した北朝鮮は、ついには瀬戸際外交も極まり結局は
6カ国協議へと復帰せざるを得なかったのだろう。

 

我が国としても安全保障上、北朝鮮核武装は断じて容認出来ず6カ国協
議で米国・中国ともに連携し押さえ込まねばならない。だが緊張が緩和さ
れたとは言え、まだまだ協議が再開されると言った程度の話である。北朝
鮮がいつ交渉のテーブルを蹴って引きこもらないとも限らないのだ。引き
ずり出した以上、何らかの結果を求めずにはいられないのは核の脅威をも
ろに受ける我が国なのは言うまでも無い。