韓国の盧武鉉大統領は1日、外交・統一・国防分野で新しい閣僚3人を指
名した。情報機関の国家情報院長も交代した。国会の同意を得た後、正式
就任する。北朝鮮問題で「6カ国協議再開」が伝えられ、さらに“北朝鮮
スパイ事件”で政界が揺れる中、内閣改造の狙いに関心が集まっている。
盧大統領としては“意”を同じくする人材で末期の政権中枢を固め、心機
一転で北朝鮮問題など難局を乗り切りたい考えのようだ。しかし新しい顔
ぶれからしてこれまでの対北融和政策や、反米・反日的ともみられてきた
対外政策の基調には、微調整はあっても大きな変化はなさそうだ。

 

重要閣僚の交代が盧武鉉政権の転換点となるかと思いきや、何てことは無
い本当にただの交代で終わってしまったようだ。国際社会が北朝鮮への圧
力を強めていこうとする中、如何に同胞とは言え無条件に融和路線を続け
ていく必要がどこにあると言うのだろうか。国内では支持率は低調し、国
際的には協調をとれない国として信頼を失う、それは韓国にとって大きな
マイナスとなるであろうし、盧武鉉政権後にツケを残すことにもなりかね
ない。残り任期が少なくなってきたのであるから、北朝鮮と正面から対峙
した上で意固地に続ける融和路線を改めるべきだろう。

 

北朝鮮6カ国協議のテーブルに戻したのは、韓国の融和路線などではな
く米国の金融制裁であり、中国が米と油の蛇口を閉めようとしたことに尽
きる。北朝鮮の隣国であり同胞でもありながら何ら存在感を発揮出来ない
ようでは、融和路線が全くもって無駄であったと悟る日も近いであろう。