民主、共産、社民、国民新党の野党国対委員長は2日、河野洋平衆院議長
に、麻生太郎外相と中川昭一自民党政調会長が核保有論議の必要性に繰り
返し言及していることについて、発言を過去の核廃絶に向けた国会決議へ
の冒とくだとし、安倍内閣に「国会軽視」の姿勢を改めるよう申し入れる
ことを求めた。また、公明党太田昭宏代表も1日の記者会見で「政府・
与党のしかるべき立場にある人は非核3原則の堅持を貫くべきだ。一議員
であるからという言い方は望ましくない」と批判している。

 

安倍首相と主義・主張が近いとされる麻生外相、中川昭一政調会長の発言
だけに安倍首相も同じ考えかと疑念を持たれかねないが、さすがに核保有
についての論議すら封じるようなことは出来ないだろう。核については言
論封殺を認めるなど笑止なことで、我が国が核武装をして困る国は中国や
韓国、それに米国も同様である。未だに核兵器の脅威は世界を覆い、安保
理の常任理事国=核クラブでもある。核クラブ以外ではインドやパキスタ
ンが核実験を行い、そして北朝鮮やイランの核開発へとつながってきた。

 

唯一の被爆国であるから世界にアピールすることは多々あるとは思うが、
戦後60年以上が経った今も完全な核廃絶など夢物語でしかないのも現実
であろう。米国の核の傘が有事に本当に機能するのか、そのような疑問も
持たずに安穏として暮らしていれば良いと言うわけでもないはずだ。誰も
核兵器など無い方が良いと思う中で、核が軍事・外交にも使える万能の
兵器なのだと盲信する輩が、海を隔てて存在することも忘れてはならない。
持つ持たないは別としても論議は大いに結構ではないか。