10月末にニューヨーク入りし、北朝鮮による外国人拉致事件の解決を訴
えてきた拉致被害者の「家族会」と支援組織「救う会」の一行4人は3日
午後、日本の国連代表部で記者会見。家族会副代表で、田口八重子さんの
兄、飯塚繁雄さんは「被害者の家族の声を、国連の各国担当者にじかに伝
えられ、国連内での拉致への対応の動きが高まった」と述べ、成果を強調
した。一行は滞在中、ボルトン国連大使をはじめ13カ国の代表部幹部
や国連事務次長らと面会して拉致事件の実情を訴えるとともに、拉致被害
が指摘される国々に情報を提供。解決への連携を呼びかけた。

 

北朝鮮が不誠実な対応を取り続けることで、拉致被害者の家族は心の底か
ら憤りを憶えたことだろう。何よりも拉致問題そのものが北朝鮮の核開発
問題に重点が置かれたことで、かなり風化してしまい拉致問題に関心を集
めるために決して若くはない拉致被害者の家族は国内だけでなく、海外に
まで出て関係各国に働きかけ、解決への糸口を手探りで見つけようとして
いる。北朝鮮は核実験を強行し、友好国である中国の猛反発を招くと一転
して六カ国協議への復帰を決めた。協議において拉致が議題にすることは
難しいだろうが、我が国は拉致問題・安全保障の問題が解決されない限り
北朝鮮との国交回復は有り得ない。それだけは確かだ。