安倍晋三首相は6日、次期国連事務総長に就任する韓国の潘基文外交通商
相と午前に会談し、北朝鮮問題に関して6カ国協議再開や拉致問題などに
ついて協議したことを明らかにした。安倍首相は、潘氏との会談内容につ
いて「日韓の2国間関係や6者協議の問題、国連改革の問題、拉致問題
国連の場でとりあげてもらうなどの課題」などについて協議したと述べた。
また、6カ国協議再開に関し、北朝鮮が日本の参加を強くけん制している
ことについて安倍首相は「日本が今までの方針を変えるつもりは全くない」
と述べるとともに、北朝鮮が国連決議に基づいて対応することが大切との
認識を繰り返した。

 

いまなお法的には戦争状態にある韓国と北朝鮮であるが、紛争当事国の韓
国から国連の事務総長が誕生したこと自体異例であろう。朝鮮半島をどう
扱っていくかが次期事務総長の潘基文氏の最大の注目点なのは間違いなく、
6カ国協議の再開によって北朝鮮の核放棄を日米中韓露の5カ国が連携し
ていけるか事務総長としては固唾を呑んで見守る以外に無い。我が国も国
連と言う場を利用して懸案事項である北朝鮮拉致問題と安全保障の問題
を取り上げ、一歩も引かない気構えを見せていくことで本気であることを
北朝鮮にわからせねば、いつまでたっても進展は無いのは確かだ。

 

我が国と同様に拉致被害者が多数いるとされる韓国も声を上げて、北朝鮮
の拉致と言う愚行を公の場で非難すべきだろう。同じ民族とは言え国家的
犯罪を見過ごすことはあってはならない。我が国や拉致被害者の家族の努
力によって、拉致は重大な人権侵害であると欧米も認識し始め、遅まきな
がらも北朝鮮の愚行が知れ渡りつつある。どうしても核問題に注目がいく
のは止むを得ないとしても、日韓が連携して北朝鮮と対峙出来る部分は少
なくないのだ。真に同胞を思うのであるなら、援助漬けにしておくだけで
なく時には厳しい行動も必要とされている。