米誌タイムは5日、「今年の発明」に利用者参加型の動画投稿インターネ
ットサイト「ユーチューブ」を選出したと発表した。同誌は「これまでに
ない規模で多くの人々が互いに楽しみ、教育し、衝撃を与える新たな方法
を作り出した」と、選考理由を説明した。タイム誌は、ユーチューブがだ
れもが簡単に動画を制作できるようになったビデオ技術革命、インターネ
ット利用者自らが情報を作り出し、共有するようになった「ウェブ2・0」
と呼ばれる社会革命、従来のメディアより個人が発信する情報の方が重視
される文化革命という、現代社会に起きている3つの大変化を体現するも
のだ、と論じた。

 

動画を投稿して気軽に共有出来ることから、爆発的な人気を博すようにな
ったユーチューブであるが、本来は個人の制作したビデオを流して不特定
多数の人に視聴してもらうのが正しい使い方であろう。だがその手軽さか
らか、テレビ番組や映画の動画をアップして公開する使い方が主流となり
爆発的な人気を呼ぶ起爆剤となっている。一部のメディアではユーチュー
ブと提携してあらかじめ番組を提供することで、違法な動画を締め出そう
とはしているものの、権利の関係で再販が難しい過去の番組が視聴出来る
点は視聴する側からすれば、これほど有難いことは無い。本来であれば日
の目を見ることは二度とないはずの映像であることを考えれば当然だろう。

 

テレビで流れていた番組が即アップされるようなことも、当たり前のよう
に行われているが、使い方次第で動画共有サイトはメディアの監視装置た
りえる可能性を秘めている。少し前にTBSが誤訳をし、スーパーポーズ
の文章が真逆になったことがあったが、あれもテレビで流された後に即ア
ップされてその番組を見られなかった人にも誤訳の存在を知らしめること
が出来たし、見ていたとしてもなにげなく番組をスルーし誤訳に気が付か
ない人にも正しい情報を届けることが出来たわけである。言いっ放しで責
任をとろうとしないメディアにとって、厄介な存在かもしれない。