ブッシュ米大統領イラク政策を最大の争点とする米中間選挙は7日、全
米で投開票が行われた。7日夜現在、下院選では民主党共和党の現有議
席を相次ぎ奪い、ABCテレビなど米有力メディアは出口調査などをもと
に、一斉に過半数を獲得したと伝えた。米下院が民主党の手に渡るのは1
994年以来で12年ぶりとなる。一方、上院選でも民主党議席を上積
みして過半数に迫る勢いで、上下両院で多数派となる可能性も出てきた。
泥沼化するイラク政策に対する米国民の批判が、共和党への逆風となった。

 

ブッシュ大統領を支えてきた上下両院で過半を占めてきた共和党が、民主
党の前に脆くも敗れ去ろうとしている。2003年に始まったイラク戦争
フセイン政権を打倒したものの、いまだに米国が目論んだイラクの民主
化は程遠い存在であり、日々米軍の死者が出ているのが現状である。もと
より短期で片付くような甘いものではなかったのも確かであろうが、テロ
との戦いを標榜するブッシュ政権にとって、イラクに他国からのテロリス
トをわざわざ集めてしまったとも言えそうだ。

 

2大政党制故に、一方の政策に問題があれば反動があるのは当然であり、
正しい姿だろう。ブッシュ政権が最大の支持を集めたのは、9.11のテ
ロが起きた際にテロには決して屈しない姿勢を示し、大義名分をもった上
アフガニスタンを攻撃した時までで、イラク戦争はここまでこじれてし
まうと誤っていたと思わざるを得ない。そう米国民が判断したのであるか
ら、ブッシュ政権の残り2年はイラク戦争の後始末をきちんとやることで
共和党の次期大統領候補に勝機を残せるのではなかろうか。