ポスティングシステムを使って米大リーグ移籍を目指す西武の松坂大輔
手は15日、レッドソックスが独占交渉権を得たとの公表を受けて成田空
港内で記者会見し、「昔からの名門チーム。契約できたらすぐにでも球場
に行きたい」と笑顔で語った。イチローの1312万5000ドルを大き
く上回る史上最高の5111万ドルという入札額については、「信じられ
なかった。うれしい半面、プレッシャーもある」と述べた。同投手は会見
終了後、米ロサンゼルスに向けて出発。今後の交渉に向けて代理人のスコ
ット・ボラス氏と話し合ったり、自主トレ予定地を視察したりする。

 

高校時代から怪物と評され、プロ入り後も毎年コンスタントにタイトルを
受賞してきた松坂投手。エースとしての風格を兼ね備えて今春のWBCで
も大活躍をしたのも記憶に新しい。日本人メジャーリーガーが続々と誕生
する中で、思うような働きが出来ずに日本球界に復帰する選手が珍しくは
ないが、日本球界の至宝としてどれだけの勝ち星をあげてくれるのか期待
は高まるばかりである。もちろん現時点ではレッドソックス入りが確定し
たわけではなく、今後の交渉は代理人のボラス氏の手腕によるものも大き
い。史上最高の入札額のプレッシャーに押しつぶされるような選手ではな
いであろうし、まずは交渉の経過を見守りたいところだ。

 

このままレッドソックスに入団すれば松井秀喜選手の所属する宿敵ヤンキ
ースとの戦いもあり、我が国を代表する投手と打者がメジャーリーグで激
突する、日本人としては複雑な面もあるが、夢の対決を待ち焦がれずにい
られない。多くの日本人投手が挑戦し高い評価を受ける中で、松坂投手の
場合は通用するかしないかではなく何勝するかに注目が集まりそうだ。日
本球界の至宝が大物メジャーリーガーをきりきりまいさせる光景が、テレ
ビを通じて我が国にもたらされる日はもうすぐである。