国連総会第3委員会で16日採決予定の北朝鮮人権決議案に、韓国政府は
同日、賛成する方針を決めた。北朝鮮への刺激を極力避けるため、200
3年以来、同案には棄権もしくは欠席してきた韓国だが、核実験後、国際
社会の対北包囲網が築かれる中で弱腰が目立った韓国も日米欧に歩調を合
わせた格好だ。大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)不参加で米国の不評
を買った韓国の、ぎりぎりの「対米配慮」との見方が強い。

 

韓国大統領として最低の支持率を更新した盧武鉉大統領であるが、さすが
に核実験まで行ってしまった北朝鮮を擁護する発言は少なくなったものの、
ミサイル乱射の際には我が国に騒ぎすぎと苦言を呈し、その危機意識の欠
如した内容が国内からも反発を受け支持率低下に拍車をかけたのも事実で
あろう。何よりも北朝鮮への支援を続けることで、国際社会から浮き始め
た存在となり、どこかで妥協を迫られていたと言えそうだ。

 

今回の北朝鮮人権決議案への賛成にしても、今まで棄権や欠席をお茶を濁
してきた前科があるだけに、仕方なく賛成する感が強い。そのような国が
本当に北朝鮮問題に対峙していけるのか、甚だ疑問である。国際社会が一
致して事に当たらねば北朝鮮に誤ったメッセージを送ることになり、韓国
も国際社会から冷ややかな目で見られることだろう。支持率低下を悩む前
北朝鮮への態度を改めるのが先決ではなかろうか。