安倍晋三首相は20日午前、ベトナムでのアジア・太平洋経済協力会議閉
幕を受けてハノイ市内で記者会見し、首脳による全体会議や個別会談で北
朝鮮の拉致問題を取り上げたことについて、「日本の立場への理解、支持
が広がったと確信している」と成果を強調した。また、口頭による議長声
明で核放棄への取り組みを北朝鮮に求めたことについて、首相は「大変意
義深い」とした上で、「北朝鮮は国際社会の抗議に真摯に耳を傾け、誠実
に対応する必要がある」と指摘。北朝鮮への具体的な対応に関しては、「
日米韓首脳会談で相当考え方を調整できた。中国も朝鮮半島の非核化を目
指す方針は同じだ」と述べ、対話を重視する中韓との連携に自信を示した。

 

未だ拉致問題が解決をみない中で、新たな拉致認定者が出てくるなど問題
そのものの底の深さを改めて実感する。若者を中心に無理矢理北朝鮮へと
連れ去ると言う犯罪そのものの行為を、北朝鮮の指導者たる金正日総書記
が認めたのであるから、我が国だけでなく全ての拉致被害者を解放し、関
係国に正式に謝罪をすべきであろう。解放しては都合の悪い拉致被害者
いると見られても仕方の無い状況だけに、時間稼ぎに付き合う必要など何
処にも無い。拉致・核・人道など北朝鮮を追い込むカードは揃っている、
これを如何にきった上で周辺各国と協調していけるかが先決だ。

 

このような国際的な会議の場で主張したことが、掛け声倒れで終わらない
ためにも、打てる手は次々に打っていく他あるまい。奇しくも11月25
日には今なお我が国の土を踏めずにいる拉致被害者横田めぐみさんを取
り上げたドキュメンタリー映画が公開される。拉致問題を風化させないた
めにも、観ておきたい映画ではなかろうか。