民主党小沢一郎代表は21日の記者会見で、来夏の参院選へ向け与党と
の対立軸を鮮明にする野党共闘路線について「沖縄で負けたから変えます
なんて、そんなバカなことはない」と述べ、19日の沖縄知事選の野党候
補敗北を受けて見直す考えはないことを強調した。党内が意気消沈してい
るとの指摘に対しては「全然そう思わない。(12日の福島知事選と19
日の福岡市長選を合わせた)三つのうち二つ勝ったんだから」と反論した。

 

野党共闘路線の象徴だった沖縄県知事選だったものの、与党候補の前にあ
えなく敗れ去ったために、審議拒否を続け空転していた国会も正常化せざ
るを得ず、作戦は完全に失敗に終えたと言えそうだ。55年体制の時はそ
れでも良かったかもしれないが、何でも反対と言うことは無責任極まりな
いとの認識が普通となってしまった以上、対決姿勢を見せ掛けるためだけ
のポーズでしかない。政策面では社民党共産党と共通するものが少なく
数合わせで共闘しているのなら、話にならないだろう。

 

「選挙の小沢」としても与党候補を打ち破ることで、来夏の参院選に向け
て他の野党にさらなる協力を迫ることも考えていたであろうが、年内に残
る選挙としては最重要と位置付けてきた沖縄県知事選での敗北は、それな
りの打撃となったのではないか。このまま続けても仕方ないために、やむ
なく審議拒否を打ち切り正常化へ合意したと見るのが普通だ。安倍政権を
ひっくり返すには戦術を練り直す必要があるだろう。