自民党は28日午前、郵政民営化に反対し、同党を離党した造反組のうち、
堀内光雄・元自民党総務会長ら無所属衆院議員11人の復党を審査する党
紀委員会を12月4日に開くことを決めた。早ければ、同日の委員会で復
党が正式決定する。誓約書を出さなかった平沼赳夫・元経済産業相につい
ては、復党願を受理せず、預かることになった。復党する11人のうち、
堀内、古屋圭司山口俊一森山裕の4氏は28日午前、国会内で記者会
見した。

 

安倍政権にとってこれで良かったのか、この決断は大きな節目となるだろ
う。むろんこのような事態は昨年の郵政解散で決定付けられていたとも言
えそうだが、造反組を早期に復党させねば来夏の参院選で野党に協力する
まではいかないにしても、自民党を利するような真似はしなかったであろ
うし、現に造反し落選した議員の中には野党の候補として参院選に出馬す
るケースもあり、刺客を打ち破るだけの強固な地盤を持った彼等がどう動
くかによって、安倍政権の命運は変わっただろう。

 

だが早期復党を選んだことによって、小泉前首相が無党派層を巻き込んで
総選挙で大勝したことからも明らかにように、刺客候補に票を投じた無党
派層は復党に疑問を持ったはずだ。また小選挙区で敗れたものの比例代表
で復活した刺客候補とは選挙区が競合し、お互いに激しい選挙戦を繰り広
げながらも、あれから1年と2ヶ月半で同じ政党の議員として行動をしな
ければならないとはやりきれないであろう。どちらを選んでも難しいこと
は確かだが、参院選に向けての基盤作りと見た方が良さそうだ。