今年に入って韓国映画が急速に冷え込んでいる。公開本数こそ多いものの
興行収入は低迷し、ヒット作が生まれていない。爆発的な“ヨン様”人気
などを背景に、韓国映画の買い付けが高騰したことも一因で、「今までが
バブルで、これが普通の状況」と関係者は平静を装う。しかし、北朝鮮
核実験で韓国に対する距離感まで広がっているという見方もあり、韓流の
先行きは不透明だ。

 

韓流ブーム自体が大手広告代理店の仕掛けたものだったとの見方もあるが、
何よりも作られたブーム感がかなり強く感じられ、内容はともかく韓流そ
のものに嫌悪感を抱く人も多かったことだろう。ブームに乗っかろうとし
多額の投資をし映画を買い付けてきても、大赤字を抱えてにっちもさっち
もいかない映画会社も珍しくは無い。韓国で歴代興行記録を塗り替えた「
グエムル−漢江の怪物−」が2億8000万円と言う惨憺たる結果に終わ
り、買い付け額の約半分の興行収入でしか無かった。

 

北朝鮮の核実験が影響したとは思えないが、韓流自体が韓国人スターが出
ているとか本国で大ヒットしたとかでは、普段映画を見慣れている人にと
っては何ら魅力のあるものではないと言うことだ。それを理解しないまま
粗製濫造気味となった韓流映画を高値で買い付け、我が国でヒットさせよ
うなどとは甘いのではないか。ブームが終わっても本当に実力のあるスタ
ーはこれまで通りスターであるかもしれないが、作られたスターの末路は
悲惨そのものであろう。