内閣府は9日、「外交に関する世論調査」を発表した。中国に対して「親
しみを感じる」と「どちらかというと親しみを感じる」が計34・3%で、
過去最悪だった前年調査から1・9ポイント上昇した。反日デモなどの影
響などで平成16年調査から悪化し続けていた日本人の対中感情が好転。
安倍首相による就任直後の訪中が影響したとみられる。一方、韓国への親
近感は落ち込み、北朝鮮の核、ミサイル問題への関心が高まっていること
も分かった。調査は今年10月に全国の成人3000人を対象に実施、有
効回答は56・8%。

 

我が国が中国と韓国と海を隔ているとは言え隣国である以上、対中・対韓
関係ともに友好関係が未来永劫続けば、それに越したことは無い。だが波
風を立てないようこちらが如何に努めたところで、反日的な発言や行動を
支持率上昇に使う韓国が良い例であるように、過去の歴史認識を持ち出し
て我が国を叩くような真似をしてくれば、良好な関係が築けるわけがない。
叩かれるたびにひたすら膝を屈するようでは真の独立国とは言えず、友好
の名の下に国益を損じることとなるだろう。謝罪と友好が1セットであっ
てはならない。

 

関係改善は我が国が一方的に相手国に阿ることでは成し遂げられず、安倍
首相の訪中は中国側も関係改善の一歩として望んでいたことでもあるはず
だ。驚異的な経済成長を続けているとされる中国にとって、成長のエンジ
ンとガソリンは外資がもたらすものである。それらを断たれれば、ただで
さえ誇大な数字を並べて経済成長を謳う中国は大きな打撃を受け、社会の
不安定をもたらすことになる。国と国の関係はやはり一筋縄ではいかない
ものだ、良い悪いの二元論ではなくきちんとした目をもって判断したい。