読売新聞社と米ギャラップ社は、日米両国の有権者を対象に「日米共同世
論調査」を実施した。自国にとって軍事的脅威になると思う国や地域につ
いて、日本では「北朝鮮」を挙げる人が80%に上った。次いで「中国」
「ロシア」が高かった。米国では「中東」がトップだったが、「北朝鮮
も75%に達した。核実験を行った北朝鮮への脅威感が日本だけでなく、
米国でも強いことが示された。3位は中国だった。

 

北朝鮮の核実験によって我が国はより軍事的脅威を受ける立場となったわ
けであるが、その分安全保障の面において国民が関心を持ったかと言えば
決してそうではないだろう。これは戦後半世紀以上、極力軍事的なことに
関心を持とうとしなかったことに起因していると思われるが、北朝鮮の暴
発によって仮に東京に弾道ミサイルが撃ち込まれる事態が起きてからでは
遅すぎるのであって、それを未然に防ぐにはどうしたら良いか。それを考
える時期は今しかないのではないか。

 

2位、3位に位置した中国やロシアとも海を隔てた隣国であり、また両国
ともに武器輸出大国でもある。特に中国とは尖閣諸島東シナ海のガス田
開発で利害がぶつかり合う点も多く、偶発的な衝突が起きないとは言い切
れないのが実情ではないか。陸続きでないだけに、やはり島国国家の宿命
か、緊張感を持って隣国と付き合っているのか疑問である。軍事的脅威を
完全に取り除くのは難しいとしても、やるべきことは多々あるはずだ。