18日発売の米誌タイム最新号は、年末恒例の「パーソン・オブ・ザ・イ
ヤー」に、インターネットのブログや動画投稿サイトなどの広がりで、情
報発信力を増している個人ユーザーの「あなた」を選出した。記事は、個
人の書き込みで蓄積されるオンライン百科事典「ウィキペディア」などを
通じ、かつてない規模の共同体が構築されていると指摘。世界中の「あな
た」がメディアの支配権を握り、新たなデジタル民主主義を作っていると
評価した。

 

マスメディアによって常に情報の受け手でしかなかった大多数の人にとっ
て、ブログやSNSの発展は、中身はともかくとして情報の発信を容易な
ものとした。まだまだメディアの支配権を握る、とまではいかないだろう
が無視出来ない存在なのは間違い無い。我が国でも政党が有名ブロガーや
メルマガ作者を招いて懇談会を開催したことからも明らかなように、ブロ
グのページビューやメルマガの読者の数によっては社会的にも認知されて
いるのだ。それも情報発信の手段が簡易なものになったからであろう。

 

ただ、動画投稿サイトに代表されるように、テレビ番組や映画がアップロ
ードされると言う著作権違反が横行している側面も見逃せない。もちろん
発展途上であるからこそ、可能性はまだまだ広がっていくことも間違い無
い。個人個人が積み上げてきたものから、こうして新たな「世界」が構築
されていく、タイム誌が今年の顔に「あなた」を選んだことは大いに共感
出来るのだ。