山口県東部を中心に日刊紙「防長新聞」を発行する防長新聞社(本社山口
県岩国市、笹川徳光社長)は19日付を最後に休刊するとの社告を掲載し
た。同社によると、破産申請の手続きを進めており、負債総額は約6億円。
業績不振により、債務超過に陥っていたという。約50人の従業員は全員
解雇する。

 

新聞離れが進む中、地方紙をさらにコンパクトにしたようなローカル紙が
経営を続けていくのは本当に難しいところだろう。ウェブでのサービスを
拡充すれば、さらに新聞離れを招く悪循環となりかねないが、そもそもサ
ービスに資金を投入出来る余力も無いはずだ。大手紙も軒並み部数を減ら
しており、あの手この手で読者を獲得しようとしているものの目立った効
果を上げているとは言い難い。それだけ新聞離れは進んでいるのだ。

 

団塊の世代が主な読者であったスポーツ新聞のように、彼等が大量退職し
た際に駅売りの部数が減少する恐れや、産経新聞社が若者向けに投入した
とされる「サンケイエクスプレス」も大苦戦している。だが紙媒体はいず
れ淘汰されていくにしても、それはごく近い将来では無いだろう。防長新
聞の休刊は地方のローカル紙の苦しい現状を示しているものと思われるが、
業界が読者の奪い合いだけに終始していては将来の展望を描けないのでは
なかろうか。