亀田興毅選手が大差で判定勝ちした20日のプロボクシングWBA世界ラ
イトフライ級タイトルマッチで、試合を生中継したTBSは同日、視聴者
からの電話などによる意見の数は今年8月の王座決定戦に比べて大幅に減
少したことを明らかにした。8月の王座決定戦では、TBSに判定結果や
中継時間に対する抗議や苦情などを訴える電話やメールが5万件以上殺到
した。

 

疑惑の勝利と言われた8月の王座決定戦から4ヵ月。この試合後の大量の
抗議や苦情を受けたTBSはこれまで強烈にバックアップしてきた亀田選
手の扱いを、まるで手のひらを返したように露骨に遠ざけていた。視聴率
獲得のための道具としてしか見ていなかったことが、これによって明らか
になったわけだが、今回の完勝を受けてまたバックアップ体制を展開する
可能性があるだろう。

 

そして疑惑を自らの手で払拭することの出来た亀田選手は、今までの「倒
す」スタイルから「勝つ」スタイルへの進化を遂げたのではなかろうか。
観客にとってはノックアウト勝ちが盛り上がるかもしれないが、王座を防
衛する立場としては可能な限り勝ち続けていかねばならない。今後は得意
ビッグマウスも押さえ気味に王者としての風格を備えてくることに期待
したい。