北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は5日目の22日午後、実質的進展の
ないまま日程を終了、休会とすることを決定した。6カ国は協議を再開す
ることでは一致したが、具体的な日程は決められなかった。北朝鮮は金融
制裁問題が解決されない限り、核議論に応じないとする強硬姿勢を崩さず
、協議再開に向けた交渉難航が必至だ。作業部会設置も合意できなかった。

 

明らかに北朝鮮にとって時間稼ぎの場と化した6カ国協議であるが、何よ
りも金融制裁を解除しろとの姿勢を北朝鮮が崩しておらず、解決へと向か
う段階にすら達していない現状である。米国にとって金融制裁を続けるこ
とで北朝鮮の貿易決済を難しくさせ、徐々に干上がらせていくことは間違
ってはいないが、即効性を欠くカードであり核実験を強行した北朝鮮もま
た核と言うカードを手にしているのだ。

 

多くの国民を餓死させてまでも核開発に突き進んできた北朝鮮を封じ込め
るには、悲しいことに我が国だけでは何ら力を発揮出来ていない。外交的
には米国と組むことでしか北朝鮮と対峙出来ないのであるなら、我が国だ
けで出来ることを地道に積み重ねていく他あるまい。この6カ国協議が機
能不全に陥っていくのは、現時点では回避は難しいかもしれないが、時間
北朝鮮に味方する可能性もあるのだと認識せねばならないだろう。