河野洋平衆院議長、自民党加藤紘一元幹事長を中心に、ハト派勢力の再
興を目指す動きがにわかに活発化してきた。9月の安倍政権発足以来、政
府・自民党内で、核保有論議容認や、従軍慰安婦問題で反省とおわびを表
明した「河野談話」に疑義を呈する発言が出るなど、「政界の右傾化が進
んでいる」ことへの警戒感が背景にある。「過去にいろいろあったが、ア
ジアのため、国のために協力しよう」。今年8月の右翼団体構成員による
加藤氏宅放火事件の際、河野氏が電話で加藤氏を見舞ったのをきっかけに、
両氏は11月1日に久々に会談し意気投合したという。 

 

ハト派勢力の再興などと書いているが、要はかつて自民党の主流派にいた
領袖達のやっかみに過ぎない。加藤氏はいわゆる「加藤の乱」で派閥を分
裂させ、さらには盟友であった小泉前首相から切り捨てられ派閥の領袖を
谷垣氏に譲る形で表舞台からほぼ消えていた。そして自民党総裁として、
現在のところただ一人首相の座につけなかった河野氏にいたっては、議長
に祭り上げられた格好で、派閥の長としての顔は無く安倍首相と親密な関
係にある麻生外相が主流派として河野派を引き継ぐ形で麻生派を立ち上げ
た時点で、もはや党の長老と言った位置付けでしかない。

 

彼らの共通点は何かにつけて「アジア」と言う単語が出ることだ。もっと
もこの「アジア」とは主に中国、そして韓国を指すようだが、時として両
国に迎合するような発言が目立つ。このような姿がハト派なのだとは思い
たくはない。加藤氏の実家が放火されたことは断じて許されることではな
いが、我が国が右傾化しているとは笑止である。河野氏は江乃傭兵などと
揶揄されている現実を認識し、ハト派親中派などと言われないための活
動をしていただきたいものだ。