「日本が小型核弾頭を試作するまでには少なくとも3〜5年かかる」とす
る政府の内部文書が24日明らかになった。「核兵器の国産可能性につい
て」と題した文書によると、日本にはウラン濃縮工場や原発の使用済み核
燃料の再処理技術・設備はあるが、技術上の制約から核兵器にただちに転
用できないとしている。北朝鮮の核実験を機に日本国内では一部に「非核
三原則」の見直しや核武装論が出ているが、日本が仮に核武装する決心を
してもほぼゼロからの開発にならざるをえない、という現実を確認したこ
とになる。

 

中川政調会長、麻生外相がぶち上げた核論議によって我が国内で大きな波
紋を呼んだのも記憶に新しいが、政府が核武装についてそれなりに真剣に
考えていたことに驚く。これが如何なる時期に書かれた文書かによるが、
保有国に囲まれる我が国にとって米国の核の傘の下にいようとも、彼等
の核は脅威以外の何ものでもない。すぐにでも核兵器を持てると言われな
がらも、現実的には困難が伴うことが明らかであり、危機が差し迫った時
点で核保有を目指したところで意味が無い。それを確認しただけでも上出
来であろう。

 

世界で唯一の被爆国である我が国が核アレルギーを持つのは当然としても、
北朝鮮と言う核保有を果たしたところで管理が出来るかどうかも怪しい国
家が存在し、さらに我が国に対して敵意を持っていることが明らかである
現状は、我が国内で核の論議が盛んになることで北朝鮮と友好関係にある
中露を揺さぶることにもなる。今このタイミングでこのような内部文書が
表に出たことは、何らかの意図が働いてのことと思うが我が国が真剣に安
全保障を考えなければならない時期だけに、ちょうど良いと言えそうだ。