麻生太郎外相は25日昼、中国の李肇星外相と電話で約30分間会談した。
この中で麻生外相は、成果がないまま休会となった先の6カ国協議につい
て、「北朝鮮は態度を改める必要がある。中国の役割に期待している」と
述べ、北朝鮮に対する中国の一層の影響力行使を要請した。麻生外相は、
北朝鮮について「金融問題を持ち出して共同声明実施の議論に入ることを
拒否した」と批判。その上で、両外相は、北朝鮮の核放棄に向け引き続き
緊密に連携していくことを確認した。

 

6カ国協議の議長国として中国の果たす役割は大きい。北朝鮮への影響力
を最も保持し、さらには原油と言う生命線を握っており、元栓を締めれば
北朝鮮のエネルギー事情は一気に悪化する。6カ国協議にほぼ無関心を装
っているロシア、友邦として太陽政策北朝鮮への支援体制を続ける韓国
の両国は6カ国協議にはアリバイ作りで参加しているようなものだ。本来
であれば同じ民主主義国家である日米韓が連携することが望ましいが、現
状においてはそれは難しいようだ。

 

北朝鮮の核保有阻止は日中両国にとって一致するところであり、枠組みと
して6カ国協議が機能しないのであるなら、生殺与奪を握っていると言っ
ても過言では無い中国が本腰を入れて北朝鮮に注文をつけるべきだろう。
米国が引き続き行っている金融制裁の効果はかなりあるようで、解除する
しないで6カ国協議が振り回されたように、我が国も出来ることは随時発
動していく、それしかあるまい。