安倍晋三首相にとって就任3カ月目にあたる26日は、政権運営の難しさ
を改めて痛感させられる一日となった。政府税制調査会の新会長に香西泰
氏を指名する決断を下してみせた一方で、政治資金収支報告書に虚偽記載
をしたと報道された佐田玄一郎行政改革担当相が辞任不可避の情勢に追い
込まれた。首相は、目標である教育再生憲法改正に取り組む以前に、日
々の懸案処理に頭を悩ます日々が続いている。

 

安倍政権誕生からわずか3ヵ月目であるが、タウンミーティングのやらせ
問題は前政権のこととしても、政府税調会長の不祥事による辞任、そして
今回の佐田議員の政治資金収支報告書に虚偽記載、いずれも安倍首相が任
命した人事であり政権にとって打撃は大きいだろう。一難去ってまた一難
と言ったところで、安倍首相の年越しは頭を抱えつつとなりそうだ。特に
下落傾向にある支持率も気にかかるであろうし、やり遂げねばならないこ
とが多いだけに、野党に攻撃材料を提供してしまったのは失点であろう。

 

教育再生憲法改正を成し遂げる意気込みは買いたいのはやまやまだが、
1、2年で結果で出せるようなものでもなかろう。まずは足元をすくわれ
ないよう閣僚含めて身を正すことだ。むろんこれまで与党に不祥事が起き
るたびに民主党でも不祥事を起こす、発覚する議員が出てきた「黄金パタ
ーン」の繰り返しはやめていただきたいものだ。顔が見えないと批判され
つつも、安倍政権はまだまだ3ヵ月なのだと甘めに見ておこう。