安倍首相は4日午前、首相官邸で年頭の記者会見を行い、憲法改正問題に
ついて、「私の内閣で憲法改正を目指すということを当然、参院選でも訴
えていきたい」と述べ、夏の参院選自民党の公約として訴えていく考え
を表明した。首相は「今年で憲法施行から60年で、新しい時代にふさわ
しい憲法を作っていくという意思を今こそ明確にしていかなければならな
い。自民党の草案は出来ており各党と協議を進めてもらいたい」と述べた。

 

憲法改正を公約としたのは今夏の参院選を決戦と位置付ける安倍政権にと
って、選挙の顔として選ばれたのに顔が見えないと批判されてきた安倍首
相の覚悟を見せたのではなかろうか。もともと自民党結党時の党是であっ
たはずの憲法改正は時代と共に片隅に追いやられ、また各議院の総議員の
3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を
経なければならないと言う条件が足かせにもなっていた。それでもなお憲
法改正に挑もうとするのは、機が熟したと見たからか、安倍首相の決意を
評価したい。

 

戦後生まれの首相として戦後レジームを打ち破るために、多くの障壁を乗
り越え日本人による憲法を創り出す。かつては憲法改正を口にでもしよう
ものならクビが飛んでもおかしくなかったが、ようやくまともな議論が出
来る状態になってきたのであろう。道のりは長いが野党民主党とも協力し
国の根幹となる真の日本国憲法を創り上げて欲しい。そのためにはまず、
参院選に負けないこと、それが至上命題だ。