中国による人工衛星破壊実験で発生した破片が、雲のように漂っているの
が確認されたと、米民間政策研究機関「防衛情報センター」が22日発表
した。「この領域では、約125基の人工衛星が運用されており、破片に
よって壊れる恐れがある」と警告している。ロイター通信によると、この
破片の「雲」は高度約400〜3000キロまで広がっており、国防総省
の専門家は「宇宙ステーションに衝突する可能性もある」と語った。

 

中国外務省のスポークスマンは「いかなる国に向けたものでもなく、いか
なる国にとっても脅威にならない」と記者会見で語ったらしいが、誰の領
土でもない宇宙空間に大量の破片をばら撒き、衛星攻撃兵器を持つことで
軍事衛星・商用衛星を運用する国々に脅威を与えるではないか。このよう
な説明では周辺各国だけでなくとも強烈な不信感を抱くであろうし、実験
の実施から10日も経ってから認めたのも何らかの意図があってのことと
勘繰られかねない。

 

中国はこの実験はどのような意図を持って行ったのか、まずはそれを世界
に説明する責任がある。平和利用を考えていると言いながらも衛星を破壊
するため、全くもって矛盾した行動ではないか。世界が北朝鮮の核実験に
圧力をかける中で、脅威を撒き散らす国家がその隣国にもあるようでは、
これまた大問題ではなかろうか。