塩崎恭久官房長官は31日午後の記者会見で、「女性は産む機械」と発言
した柳沢伯夫厚生労働相の辞任を求めて同日の衆院予算委員会を欠席した
野党の対応について「審議をきちっとやるのがわれわれの責任だ。かつて
55年体制のような時代はとっくに終わった」と批判した。また、塩崎
長官は柳沢氏の進退に関しては「全身全霊で職務を全うしてほしいと安倍
晋三首相も言っている」と述べ辞任の必要はないとの認識を改めて示した。

 

安倍内閣の閣僚が次々と舌禍事件を起こし、野党に格好の攻撃材料を提供
しているのは悲しいことだ。久間防衛相がイラク戦争に関して米国を非難
をしたり、今回の柳沢厚生労働相の「女性は産む機械」と言う全ての女性
を敵に回すような発言、参院選を控えて女性の支持を失うような致命傷と
ならないために、自ら進退をはっきりとさせるのが筋ではないか。発言自
体はすぐに取り消し陳謝していたものの、少子化対策を担うはずの厚生労
働相の発言としては、大いに問題であろう。

 

だが審議拒否を決めた野党の対応は、塩崎官房長官が言うように55年体
制の際ならいざ知らず、国民にはただのポーズとして見抜かれることだろ
う。いずれにせよ安倍内閣が支持率を落とし続けることの最大の理由は、
首相が選んだ閣僚が自ら問題を起こすことにある。政権を支えるどころか
足を引っ張るのでは、何のための閣僚か考え直して欲しい。