柳沢伯夫厚生労働相は2日午前の閣議後の記者会見で、自身の「産む機械
発言が4日投開票の愛知県知事選や北九州市長選に与える影響に関し「発
言と選挙とは切り離して、有権者の方が投票して下さることをお願いした
い」と語った。辞任は重ねて否定した上で、選挙結果によって再考する可
能性については「考えなきゃならないことがあれば考えるのはいつも政治
家だからそうだが、今は考えていない」と含みを残した。

 

野党が間近に迫った愛知県知事選や北九州市長選を有利に運ぼうと、柳沢
厚生労働相の失言を利用しているようだが、小沢民主党代表は自らのホー
ムページでは「明治以来の中央集権制度を抜本的に改め、「地方分権国家」
を樹立する」としており、国政のことをいちいち地方にまで持ち込んでく
るのは、逆に選挙のためだろうと地方の有権者に勘繰られ必ずしも有利に
はならないのではないか。それともただ単に有権者を侮っているのか。

 

確かに柳沢厚生労働相の失言は、女性を機械と表現すること自体が蔑視そ
のものであり嫌悪感を持たれても仕方の無いことだ。だが柳沢厚生労働相
の失言によって、選挙結果が動いてしまうような「民主主義」と言うのも
考えものである。与党陣営が支持する候補が同様の発言をしたのならまだ
しも、何らつながりのない候補を白い目で見る必要は無い。県政・市政の
長を選ぶのだ、県民・市民の公正な目に期待する。