9日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国
共産党のメディア規制部門である党中央宣伝部は、国内メディアの新たな
統制策として、違反点数制の導入を計画している。詳細は不明だが、各メ
ディアに12点を割り当て、当局が報道内容の「違反性」を判断、減点す
る点数を決める。持ち点がなくなると発行停止などの処分を受けるという。
指導部人事が焦点となる今年秋の党大会や、2008年の北京五輪に向け
言論統制を強化しており、新制度はその一環とみられる。

 

中国にとってメディア統制はお手の物のはずだが、ビッグイベントが近付
くにつれて強化の度合いが明確となってきている。中国共産党に不利益を
もたらすようなことを書けば、おそらく即刻発行停止処分が下ると思われ
るが、違反の程度は国家新聞出版総署などのメンバーでつくる特別委員会
が判断するようだ。減点される点数は程度によって1、3、6、12点で、
この基準でいけば一発発行停止もあり得ると言うことだ。我が国でこのよ
うな制度が論じられるわけもなく、このような報道に触れるとやはり中国
と言う国家は一党独裁国家であると改めて感じるのである。

 

中国共産党にとってメディアは宣伝機関であって報道機関ではないとのス
タンスは、国内での格差が絶望的なまでに広がっていく中で、より強化さ
れていくことだろう。それだけメディアの力を恐れていることの証明でも
あるが、今の中国内で反政府報道を展開出来るメディアが存在するのかと
言うのも疑問ではある。外国メディアが如何に外から中国内の問題を取り
扱おうとも、内では報道されないのでは意味が無いのだ。言論統制のすき
間を突くにはインターネットの世界に賭ける他あるまいか。