韓国の通信社・聯合ニュースは12日、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協
議で議論されている核放棄への「初期段階措置」の見返りと関連し、北朝
鮮が当初、電力225万5000キロワットに相当するエネルギー支援を
要求したが、交渉過程で要求水準を下げることに事実上同意したと報じた。
その結果、北朝鮮重油換算で約100万トンを要求。一方、ほかの国は
核施設の「閉鎖」レベルの見返りとして50万トンを主張しているという。

 

核放棄への道筋は一定の段階を経ていくことになるようだが、段階を経る
ごとに北朝鮮がより多くの見返りを求めてくるのではないかと言う懸念が
どうしても残る。かつて北朝鮮核兵器開発を凍結する見返りに作られた
日米韓による朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が、軽水炉開発計
画の頓挫に解散の憂き目を見たように、北朝鮮にそれ相応の見返りをして
も結局は核開発を止めることは出来なかった。

 

北朝鮮を除く5カ国はも思惑はそれぞれあり、決して足並みが揃っている
とは言い難いが、特に核と言うカードを持たない我が国が協議の場におい
て主導権を発揮するのは難しい。少なくとも北朝鮮の言い分に振り回され
ることなく、毅然とした姿勢で5カ国との連携を見出す、存在感が薄いと
言われようとも仕方が無いと割り切るしかあるまい。