東京都板橋区東武東上線ときわ台駅で6日夜、自殺を図ろうとした無職
女性を助けようとして急行電車にひかれ、重体となっていた警視庁板橋署
常盤台交番の宮本邦彦巡査部長が12日午後、収容先の病院で死亡した。
宮本巡査部長は6日午後7時ごろ、同駅の線路に立ち入った女性を交番に
連れてきたが約30分後、女性が交番を飛び出し「死んでもいい」と叫び
ながら踏切から線路内に侵入。後を追った宮本巡査部長が駅ホーム下のあ
る避難スペースに女性を移動させようともみ合っているうち、同駅を通過
する急行電車にひかれ、頭を強く打って意識不明の重体となっていた。

 

亡くなられた宮本巡査部長は正に「街のお巡りさん」と言った、今の世に
おいては貴重な存在であったようだ。安倍首相も弔問に訪れ「危険を顧み
ずに人命救助に当たった宮本さんのような方を、首相として、日本人とし
て誇りに思う」と語っており、板橋署には近隣住民や地元小学校の児童ら
が、回復を祈って作った千羽鶴や花束が続々と届けられ、同署にも連日、
激励の電話や手紙が寄せられていたものの、残念ながら帰らぬ人となった。
日本人が「公」の精神を失っていっているとされる中で、我が身を省みず
人の命を救おうとした宮田巡査部長に哀悼の念を捧げたい。