自民党内で15日、山崎拓前副総裁が北朝鮮拉致問題の進展がなければ
エネルギー支援に応じないとの日本政府方針に否定的な見解を示している
ことに批判が相次いだ。町村信孝前外相は町村派総会で、山崎氏の見解を
念頭に「党内でああだこうだ言う人がいるが、安倍内閣の足を引っ張り、
北朝鮮を利する発言だとどうして分からないのか。誠に不可解な思いでい
っぱいだ」と強調。丹羽雄哉総務会長も記者団に「国益のために発言し、
行動するという基本を踏まえないと困る」と述べた。

 

我が国と北朝鮮の間に拉致問題がある以上、北朝鮮に支援を行うこと自体
が問題のある行動であって、核開発の問題が本当に解決出来るかもあやふ
やな中で安易に支援を打ち出すのは、北朝鮮が合意を反故にした時のダメ
ージは大きい。仮に支援をした後に合意が反故になったとしても、山崎氏
を始めとする非主流派は安倍政権批判を口にするだろう。国益すらも自ら
の利益のために利用するようでは、政治家としては大いに問題ではなかろ
うか。安倍政権を支えようとする行動とはとても思えない。

 

山崎氏は党内からの批判に山崎派総会で「朝鮮半島の非核化は国際協調で
解決すべき問題で、日本だけ協力しないというわけにはいかない」と指摘
。「核問題の早期決着を図り、かつ拉致問題を同時並行的に解決する必要
がある」と反論しているが、もっともらしい内容の中で核問題が早期決着
を図る、と言う点に疑問が残る。核カードが如何に効果てきめんかを改め
北朝鮮が知ったことにより、問題解決は一筋縄ではいかないのだ。支援
で解決出来るならとっくに朝鮮半島は非核化されているだろう。