中国南西部・雲南省富民県の当局が、はげ山の山肌数千平方メートルに緑
色のペンキを塗りつけ緑化していたことが国内報道で判明し、中国社会を
あぜんとさせている。中国紙・新京報などによると、同県当局は昨夏、農
村住民の年平均収入の約140倍に当たる47万元を投じ、採石場跡地な
どがあった山肌にペンキを吹き付けた。住民側は「この金で苗木を買えば、
いくつもの山に植林できる」と批判している。真向かいに建設している共
産党同県委員会の新庁舎の「風水」を良くするのが目的と指摘されている。

 

中国国内で宗教の類は弾圧される向きがあるが、果たして中国共産党とも
あろうものがよもや風水のために大金を使い、はげ山の「緑化」を行った
と言うのだろうか。非常に奇妙なニュースだが住民側の怒りの声に当局は
明確な説明をしていないらしく、見た目だけの「緑化」が何を意味するの
か噂が飛び交う中で「風水」と言う説に行き着いたのだろう。まったくも
って意味不明の緑化事業を、きちんと当局は意図を説明をするのが筋であ
ろう。それとも説明出来ない機密があるとでも言うのか。

 

地元の農民の「その費用を植樹に充てれば、山は本当に緑化できたのでは」
と言う嘆き節は一党独裁国家の指導者たちの耳には届かないのか。有り得
ないとんでもニュースの前に、何と言うか唖然とする他無い。私利私欲の
ために無駄な事業を行い、住民からの批判には耳を塞ぐような党は信頼す
るに足りない存在である。