ヤマハ発動機の産業用無人ヘリコプターを巡る不正輸出事件で、静岡、福
岡両県警の合同捜査本部は23日、経済産業相の許可を得ずに中国の企業
に軍事転用が可能な無人ヘリを輸出しようとしたとして、同社執行役員
スカイ事業部長の内山一雄容疑者ら3人を外為法違反の疑いで逮捕した。
同社も同容疑で静岡地検書類送検する方針。捜査本部は同日、同事業部
などを捜索した。捜査本部は、3容疑者が軍事転用可能と認識しながら輸
出していたとみて解明を進める。3容疑者とも容疑を否認している。

 

高性能な無人ヘリコプターは民生用だけでなく容易に軍事用に転用が可能
だと言うことを、製作していた企業側が知らなかったでは済まないであろ
う。中国人民解放軍とも関わりが深いとされる中国企業に、数年に渡り十
数機輸出してきており、中国側から輸出を持ちかけられたようだが、それ
にしても今回逮捕された3人を始めヤマハ発動機の関係者達は自分達がし
ようとしたことの意味をわかっていたのか。わかっていてやっていたので
あるなら犯罪そのものである。

 

高度な技術を持つ我が国の企業が利益を重視するあまり、法を犯してまで
も利益を上げようとする、これは大いに国益を損ねる行為だと言わざるを
得ない。我が国は名目上軍隊を持たず、軍事について通常の生活において
国民が身近に感じることはほとんど無いだろう。だからと言って軍事につ
いて何も知らないと言うのは、海外に目を向けた際には特に困るのだ。と
かく戦争・軍事を論じると思考停止に陥りがちな日本人だからこそ、知っ
ておくべきことがある。