廃刊危機を報じられていた日本スポーツ出版社発行の老舗プロレス専門誌
週刊ゴング」が、来週水曜の発売号での廃刊が決まったことが1日、明
らかになった。複数の関係者によれば、会社側が先月27日までに担当編
集者に今月一杯で解雇すると通知をしたという。今年、創刊40周年を迎
えた同誌だが、プロレス人気が低迷するなか、元社長が不透明な資金流用
で残した10億円前後ともいわれる債務がとどめを刺し、ついに「3カウ
ント」が入ることになった。

 

なお、解雇通知は週刊ゴングだけでなく、兄弟誌の「ゴング格闘技」「L
ADY’Sゴング」の担当編集者も同様で日本スポーツ出版社の存続すら
危うい状態なのは間違いないようだ。プロレスの低迷は業界の盟主であっ
新日本プロレスの凋落を招き、過剰な交流はほとんどせずに純血を貫く
プロレスリング・ノアが事実上の盟主に取って代わっている。むろんゴン
グの休刊は元社長のタチの悪い置き土産が最大の原因と見てよいが、プロ
レスの先行きが明るくない以上、廃刊は免れなかったかもしれない。

 

新日本プロレスが新年恒例のドームの興行を全日本プロレスと合同で行っ
たことが象徴するように、老舗の両団体は苦しい状況が続いている。そろ
そろ世代交代が行っても良いはずだが、ベテラン勢を蹴散らすだけの新世
代の台頭は見込めていない。業界の置かれた立場は非常に難しいものであ
り、まずはプロレスをどう見せていくかが重要ではなかろうか。きっかけ
を作ることに苦心すべきであろう。