麻生太郎外相は2日の閣議後記者会見で、7日からハノイで開催する日朝
国交正常化に関する作業部会における拉致問題解決に向けた交渉について、
北朝鮮の誠意ある対応というのは、少なくとも(拉致被害者や特定失踪
者の)捜索に協力するというのが最低限のステップだ」と語った。政府は
拉致問題が進展しなければ、北朝鮮支援に応じない」との基本方針を堅
持して交渉に臨む考えで、麻生氏は「拉致問題がまったく進展しない段階
では、重油95万トン(相当の支援)に乗るつもりはない」と強調した。

 

米国が北朝鮮テロ支援国家の指定解除をする上で、北朝鮮の過去の国ぐ
るみのテロ事件を、「すべて話し合う」としており、当然国ぐるみの犯罪
行為である拉致問題もこれに含まれている。拉致被害者の情報としてこれ
まで横田めぐみさんのものとするニセ遺骨を提出してきたり、拉致したこ
とを認めたものの死因に疑問が残ると言ったように不誠実極まりない適当
なものであった。北朝鮮にとってテロ支援国家の指定を解除してもらうた
めに拉致問題で妥協を図る可能性もあり注目したい。

 

だが拉致問題が解決したところで、我が国が積極的に国交正常化を推し進
める必要は何処にもない。北朝鮮にとって核は強力なカードであり、文字
通り金正日総書記は死ぬまで手放さないであろう。核を持ったことにより
六カ国協議は思ったように展開し、核問題は今度も朝鮮半島を揺さぶり続
けるのは避けようも無く、北朝鮮に体制の変化が起きない限り核を持って
同じことを繰り返す、このループをいつか止めねばなるまい。