中国の07年度国防予算が前年度実績比17.8%増の3509億元(約
5兆3300億円)に上ることが4日、分かった。中国の場合、研究開発
費などを含む実際の軍事費はさらに大きいとみられていたが、公表された
国防費でも歳出削減に伴い抑制が続く日本の防衛費を初めて上回った。5
日開幕する第10期全国人民代表大会第五回会議の姜恩柱報道官が記者会
見で明らかにした。

 

中国側は増加の理由に関して、軍人の給与増額、兵士の訓練や生活条件の
改善、情報戦における防衛作戦能力を高めるための装備費の増加の3点を
挙げているが、果たして本当であろうか。極めて不透明な中国の国防予算
の全容を明らかにしない限り、中国脅威論と言うものは常に出るであろう
し、それを日中友好を阻害するものだと思うのであるなら、軍拡としか思
えない規模の軍事費を投入し続ける理由の説明が必要だ。

 

塩崎官房長官は記者会見で「発表された国防費以外にも不透明な部分があ
る。国防予算を含めた国防政策について透明性の向上をさらにはかっても
らわないといけない」と述べ、中国の国防予算が我が国の予算を抜いたこ
とを牽制した。先の衛星破壊実験もそうだったが、都合が悪いことを聞か
れると「平和目的で脅威にはならない」と繰り返し、まともに答えようと
はしない。これは何かあるのでは、と勘繰られて仕方あるまい。