旧日本軍によるいわゆる従軍慰安婦問題を巡り日本政府に謝罪を求める米
下院での決議案について首相は「決議があったからといって謝罪すること
はない」と言明。「狭義の意味でいう強制性について裏付けのある証言は
なく、客観的事実に基づいていない」と反論した。慰安婦問題について軍
の関与を認め、謝罪した93年の河野洋平官房長官談話に関しては「基本
的に継承していく」と重ねて強調した。

 

米下院で決議されようとも、慰安婦問題にせよ何の問題にせよ決議は法的
拘束力を全く持たず、第一主権国家である我が国が米国の下院で決議され
たことにいちいち拘束されていたのでは、それこそおかしな話であろう。
だがこの日の新聞は安倍首相が謝罪する必要はないと言明すると、「首相、
謝罪せず」と見出しに打ち、まるで謝罪することがさも当たり前であるか
のような書き方である。

 

いったいどこ国の新聞なのか。安倍首相は河野談話を継承していくとして
いるのだから、謝罪するのは当たり前と言う図式なのか。客観的事実に基
いていない決議案など本来であるなら取るに足らないものだが、河野談話
によって著しく我が国は誤解を受けていることもあり、この決議案を見過
ごしていれば認めたとも同然である。決議案が可決されないよう、懸命に
働きかけを行っている中で水を差すような真似はして欲しくないものだ。