北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で設置が決まった日朝国交正常化作業
部会の初会合が7日午前、ハノイ日本大使館で開かれ、日本が最重要課
題に掲げる拉致問題を協議した。日本側は北朝鮮に対し、拉致に関する再
調査のほか、<1>拉致被害生存者の早期帰国<2>真相究明<3>拉致
実行犯の引き渡し――を求めた。日朝が本格的な協議に臨むのは昨年2月
以来、1年1か月ぶりとなる。

 

米国と北朝鮮の妥協と打算の結果、我が国が6か国協議で得たものは米国
を信頼し続けることの危うさと、北朝鮮のしてやられたと言う思いである。
米国はあれだけ拒んでいた二国間協議に臨み、6か国協議開催を前にして
大枠は出来上がってしまったいた。イラク政策の失敗により中東に釘付け
ブッシュ政権にとって、北朝鮮に譲歩してでも協議をまとめ上げたいと
の願望があったのであろう。軽水炉建設を要求しているとも言われ、94
年の枠組み合意の繰り返しではないかとの懸念も残る。

 

肝心の日朝国交正常化作業部会は、北朝鮮側が7日午後5時からの協議は
行わないと我が国に通告し、初日から北朝鮮が揺さぶりにかかっている。
あくまで国交正常化ありきでは無く、拉致問題の解決に向けて北朝鮮がど
れだけ真摯に向き合ってくるかである。正常化後に拉致被害者を捜せば良
いなどと甘い考えを持つことなく、北朝鮮の狙いである過去の清算=我が
国の資金援助であることを見越して、粘り強く協議を重ねていくことだ。