「負けた時のことは言わないでもらいたい」。12日夕の自民党役員会で、
青木幹雄参院議員会長が、小泉純一郎前首相の発言にかみつく場面があっ
た。問題の発言は「万が一負けても参院選は政権選択の選挙じゃない」と
の内容。小泉氏が7日に安倍晋三首相や中川秀直幹事長と会談した際に行
われた。青木氏は、参院側の選挙活動に水を差す小泉氏の発言が聞き捨て
ならなかったようで、「みんな必死に勝利を目指して頑張っているのだか
ら、お互いにああいうことは言わないように」と苦言を呈した。

 

今夏の参院選は安倍政権にとっても、野党にとっても決戦と位置付けるの
は間違いではない。6年前の小泉ブームで当選した議員が改選されること
で、支持率が下落傾向にある安倍政権下では当選が覚束ないであろうとの
予測が出るのが当然である。むろん野党第一党民主党とて自民党を追い
込めるだけの「風」が吹かない限りは引き分けが関の山であろう。とかく
統一地方選を見る限り、民主党の地方組織は非常に脆弱であり、候補その
ものを立てることも難しいかもしれない。

 

青木氏にとっても自身の影響力を保持するために、参院選は勝たねばなら
ない戦いである。時に参院自民は「ミキオハウス」などと揶揄されること
もあるが、如何に衆院で3分の2以上を押さえる巨大与党とは言え参院
失えば片肺となり、ゴリ押しで法案を通し続けることは国民の信を得られ
ることではない。いずれにせよ安倍政権にとって参院選が避けては通れな
分水嶺となりそうだ。