北朝鮮は、核放棄の見返りである日本からのエネルギー支援について、必
要ないとの立場を示した。朝鮮中央通信社が20日、伝えた。日本は、北
朝鮮に対する全面的な経済援助や日朝国交正常化を進めるにあたり、拉致
問題の解決が優先されるべきとしている。KCNAは「北朝鮮は、日本が
エネルギー支援を実施するかどうかについて気にしていない。日本のエネ
ルギー支援は経済発展にさほど影響を与えないからだ」とした。

 

日朝国交正常化が我が国に何のメリットをもたらすと言うのであろうか。
正常化を望まないのは我が国の右派勢力が原因であるとしているようだが
笑止千万である。拉致問題に誠実に取り合おうとしない北朝鮮にこそ問題
があるのであって、その問題を放置したまま核放棄の見返りなど出来るは
ずがないではないか。拉致にこだわりすぎて結局は我が国だけが孤立する
などとの論評は的外れである。

 

6カ国協議において我が国は基本的原則である拉致問題の解決を打ち出す
ことで、米国のテロ支援国家指定解除を牽制し、中国にも拉致問題の解決
へ協力するとの発言を引き出している。拉致問題を無視したまま北朝鮮
交渉を進められないよう、拉致と言う枠組みで我が国以外の4カ国をまと
めあげる。そのような戦略が実際に出来るかは先行きは不透明だが、良い
意味でも悪い意味でも「拉致」は政治的カードだと言うことだ。