安倍晋三首相は29日、靖国神社への戦犯合祀に旧厚生省が関与していた
ことが国立国会図書館の公表資料で明らかになったことについて「(政教
分離の原則からも)問題ないと思います。合祀を行ったのは神社でしょう
し、厚生省は(戦死者の)情報を求められて提供したということじゃない
ですか」と記者団に述べた。塩崎恭久官房長官も同日午前の記者会見で「
合祀の判断はそれぞれの神社が行い、(合祀を)強制しているわけではな
い」と語った。

 

旧厚生省が靖国神社への合祀に関与していたのは、旧軍の人事資料を持っ
ていたのが旧厚生省以外に無かったからに他ならない。この記事が悪質な
のは戦犯合祀とわざわざ書いていることだ、むろん戦犯だけでなく通常の
戦死者を合祀する際にも靖国神社が旧厚生省に問い合わせをし、情報を得
た上で合祀をしていた。戦死してもいないのに勝手に合祀するわけにもい
かず、靖国神社は格別おかしなことをしたとは到底思えない。これを政府
関与とは言えないだろう。

 

だが早速、韓国外交通商省は「日本政府がこれ以上真実をごまかさず、正
しい歴史認識のもとで責任ある措置を取るよう望む」との声明を出したよ
うだが、責任ある措置とはいったい何なのだろうか。日本政府が分祀を靖
国神社に強要することが責任ある措置なのか、それとも合祀に関与してい
たことを謝罪でもしろと言うのか。いつまでもこのような意味の無い論争
を続けていても、結論などまとまるはずもない。実に嘆かわしいことだ。